ちょっと間があいてしまって、ごめんなさい。梅雨バテしておりました。
梅雨時はいつも苦手で、上手く仕事が重なるときはNYに長くいるようにしたり、雨や曇りの日も楽しもうと工夫しているのだけれど、体は「いつも無理を聞いているのだから梅雨くらいゆっくりさせて」と取りあわず、脳内ジレンマな6月を送るのが常なのです。
毎年梅雨のうっとうしさを吹き飛ばしてくれるお気に入りのイヴェント「キリン・ザ・ナイツ」--
渡辺貞夫プロデュース--も7月2日からブルーノート東京で始まるし、私のバテバテも、これできっとフェイドアウトすることでしょう。今年は、・ジャッキー・マクリーン(as)とくりひろげる2アルトによるビバップ、・ブラジル音楽、・アフリカン・パーカッションとの共演と、渡辺貞夫の音楽の3本柱ともいえるテーマにそったギグが行われるので、元気をもらいに何度も通いたいと思っている。ブルーノート東京で見かけたら、声をかけてね。
それにしても渡辺貞夫の今年の新作『SADAO 2000』は、素晴らしかった。そのアルバムを再現するコンサートが、実は既に6月11日、ブルーノート東京で行われたのだけれど、そのギグの温かさ、質の高さ、音楽から溢れ出る優しさが今も忘れられないでいる。貞夫さんのサックスが(8月3日のバッハ演奏会atサントリーホールのため練習が続けられていることもあり)素晴らしく鳴っていて、歌心にあふれ、リチャード・ボナの歌声は澄み切って、彼の故郷であるアフリカの清明な大気を伝えてきた。
リチャード・ボナは、西アフリカ、カメルーン出身の32才になるベーシスト、シンガー、パーカッショニストand作詞・作曲家だ。カメルーン--パリ--NYと駒を進めて、今やNYにあってもファースト・コールのミュージシャンとして、揺るぎない独自性を打ち出している。そのボナが言っていた。
「サダオと一緒にアルバムを作れ、同じステージに立てるなんて、夢なら醒めないでほしいんだ。サダオには、大きな影響を受けてきた。その感謝が、少しでも音になることを願って臨んだんだ」
その時の貞夫さんのとびきりの大きな笑顔は、6.11のステージで見たのと同じ輝きをもっていた。 渡辺貞夫とボナに共通するのは、2人ともとても明るい人柄で、音楽が何よりも好きだということ。音楽的なことでいえば、2人ともアフリカのアーシーな香りと、洗練された感性をもちあわせていること。この地球をそのまま故郷だと思える、ワールド・シティズンであること。そして細かなジャンルの枠組みを超えて、音楽を音楽として捉えていることだ。
貞夫さんは、6.11のギグの後「このままボナとおしまいにするのは寂しいので、また必ず一緒にステージをやりたい」と話してくれた。そ、それならどんなにか私も嬉しい!
6.11を聴き逃した方は、アルバム『SADAO 2000』を聴いていただくか、7.2からの「キリン・ザ・ナイツ」に行きましょう。そしてまだ確定していないけれど、音楽的に相思相愛の2人、2000年のクリスマスには、もう一度共演があるかもしれないという話もある。これはぜひ実現させてほしいので、今からサンタさんに頼もうと思っている。