QUEEN周辺がにぎやかだと、前回お伝えしました。
QUEEN再始動に呼応するように、日本にQUEENのミュージカルが上陸するというのですから、「にぎやか」が「騒ぎ」になりそうな気配です。
そのロック・ミュージカル、「 WE WILL ROCK YOU」が5月27日から 新宿コマ劇場で公演されるのです。それも日本にはめずらしく、3ヶ月のロングラン。
日本のクイーン・ファンは、議論好き?だから、今回も賛否両論が飛び交うことは必須。その意見を読むのも楽しみですが、賛成派は「クイーンの楽曲が時代を超えて広く愛されるのは、よいことじゃないか」と書きこみ、反対派は「クイーンが出もしないのに、誰が誰をロックするんだよ」という論調になることは、目に見えています。
ただ、見えないこともあります。それは、ミュージカル「WE WILL ROCK YOU」に私がどのくらい魅了されるかという、肝心な点。
作りには心配していないんです。しっかりしたプロ中のプロが作っています。ステージに立つのも、ミュージカルのプロたち。それでも、ステージばかりは、観てみないことにはわからない。でも、書いてみますね。情報をお伝えするという意味合いをこめて。
「WE WILL ROCK YOU」は、2002年ロンドン、ウエスト・エンドのドミニオン・シアターで初演され、今までに300万人の観客を動員したそうです。
ブライアン・メイとロジャー・テイラーが構想、ステージ・デザインにアイデアを出し、俳優とミュージシャンのオーディションにまで立ち合い、全面的に監修にあたりました。
2人が語っています。
「驚いたことに、ほぼオリジナルの歌詞で全編を通すことができたんだ。〈ブレイク・フリー〉は主人公の心境を表現するのに、ぴったりだった。元来、クイーンの曲は自由について歌っているものが多いから」
クイーンのヒット曲を網羅し、俳優/放送作家のベン・エルトンが脚本を書き、ロバート・デニーロが設立したトライベッカ社(彼がNYのトライベッカに住んでいるから、この名前ね)が出資(15億円のうち9億円)。ストーンズ、ユーミン等で知られているマーク・フィッシャーがセットを手がけ、照明はハイテクとローテクを斬新に織りまぜた、ウィリー・ウイリアムス渾身の仕事と、世界のスター・スタッフが結集したこのロック・ミュージカル。
ブライアン・メイが、こんなコメントを寄せています。
「このミュージカルはQUEENのヒストリーではなく、QUEENの楽曲を使ったミュージカルなんだ。音楽が抑制された世界のなかで、苦闘しながら「自分」というものについて考え、過去の遺産となったロックをキーワードに、それぞれがどう生きていくべきかを考えるストーリーだ。皆さんが、この旅を楽しんでくれることを、心から願っている」
ロジャー・テイラーは、こうです。
「アイデアが生まれてから完成にまでは、ずいぶん長いことかかったよ。莫大な費用もかかったけれど、これはぼくたちが本当にやりたかったことなんだ。出来上がった脚本を見て、ロバート・デニーロが一緒にやろうって言ってくれた。トライベッカという制作会社を設立するにあたって、このミュージカルを第1回作品にしたいと言ってくれてね。これは本当に面白い、明快なショーだと思うよ」

ストーリーはこんな風に始まります。
時は2046年、地球上の楽器がすべて葬られ、グローバル・ソフト社のCEO、キラークイーンは人心をコントロールし世界を手中におさめようと、コンピューターによる画一的なサウンドを人々に押しつけた。
その動きに対抗しようと立ち上がったのが、ガリレオとスカラムーシュという2人の若者。2人は自分たちで歌詞とメロディを書き、歌い始めた。そして楽器が隠されている場所を探す冒険に、旅立つのだった。
ありがちなストーリーに、たじたじッとした私。ブライアンとロジャーのようには、喜べませんでした。
というのも、私ならタンザニア生まれでインド育ち、家族の宗教はゾロアスター教、そしてもちろんゲイというフレディ・マーキュリーの人生をテーマに書くわけで、そうしたかったのですが、頼まれなかったから仕方がない。
ブライァンが、こういったは20世紀 SF的なストーリーを選んだのには、わけがありそうです。
ジョージ・オーウェルが1949年に書いたSF「1984」では、国家があらゆる手段で人々の考えや行動をモニターする恐怖の未来社会を描かれていましたが、ブライァンが学生時代に結成したファースト・バンドの名前が「1984」。よほど、この手のストーリーが好きらしい。
ブライアンが「だんだん世の中が、このストーリーとの関連性をましている」と言えば、ロジャーも「最近のミュージカルは内容が薄いものが多いけれど、このミュージカルは社会的にも意味があると思う。若い世代の方が、理解しやすいかもしれない。若い観客も大勢見に来てくれ、ぼくたちが世代の架け橋になっているようで、喜んでいるんだ」と語っています。
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Photograph of original Australian touring cast by Serge Thomann.
photo by Richard Young
▲1000回記念公演の模様。1月12日にはロンドン公演が1000回を迎え、ブライアン・メイとロジャー・テイラーがサプライズゲストで登場、演奏を披露し観客を沸かせた。更に、ポール・ロジャースを迎えてのQUEENヨーロッパ・ツアーも発表され、ますますQUEENブームに拍車が掛かる今年、ミュージカルの歴史に新たな1ページが加わることだろう!
Photograph of original Australian touring cast by Serge Thomann.
Photograph of original London production by Catherine Ashmore and Dave Bennett.
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