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小曽根真+塩谷哲=デュオ [2005.10.16]
 小曽根真塩谷哲が『デュエット』と題する2台のピアノによるアルバムを、それぞれの所属レコード会社リリースしました。そして2人によるコンサート・ツアーを10月から11月にかけて9都市で敢行します。初日が迫ってきたので、今日はその『デュエット』のお話しを。
 「ソルト」「お兄」と呼び合うほど仲が良いうえに、切磋琢磨するこの2人のピアニストに話を聞きました。
ヨウ 今回リリースされる2作は、内容からジャケット写真まで、「デュエット」の精神が貫かれています。2人は、どんなコンビですか。
小曽根 ボケとツッコミ(爆笑)。
塩谷 アルバムでは左から小曽根さん、右からぼくが聞こえますが、自然にふと同じフレーズを弾いたことがありましたね。音楽で通じあえる喜びを、いつも感じられるデュオなんです。
小曽根 そもそも一緒にやりたいと、ラブ・コールを送ったのはぼくなんです。ソルトが書く曲を、すごくイイと思っていましたから。2年前に夢がかない、札幌でデュオ・コンサートが実現した。それがぼくの音楽史上、1、2を争う素晴らしいコンサートになって。そこで感じた2人の一体感、2000人の観客との熱い一体感が、今回レコーディングする導線になりました。
塩谷 その札幌での共演が、ぼくにとって大きな意味をもったんですね。小曽根さんが「心を全開にして音楽にむかうこと」を、ことばじゃなく、そのピアノで教えてくれたんです。それまでもやっているつもりだったんですが。
 「札幌」以前と以降で、ぼくは変わりましたね。まっ裸になる勇気をもらい、受けとめてももらったんですから。以降、ミュージシャンとして責任をもって音楽するということを、考えるようになりました。
小曽根 真&塩谷 哲 「デュエット」
ユニバーサルジャズ
VICJ-61303
2005/09/21発売
塩谷 哲&小曽根 真
「デュエット」

ビクターエンタテインメント
VICJ-61303
2005/09/21発売
※権利者の許可を得ずに、複製することを禁じます。
ヨウ この2枚の『デュエット』がライヴ録音されたのは、今年2月、大阪ブルーノートででした。私は、大阪まで聴きに行き、楽しませてもらいました。でもピアノ2台でのデュオというのは、想像以上に演奏家としては大変だなと思ったのもホント。アンサンブルというより、ソロを互いにして、あるときは伴奏にまわるという、ソロ同様まったく手が抜けない状態ですよね?
小曽根 ピアノはオーケストラルな楽器ですから、2つオーケストラがあるようなものなんですよね。
塩谷 フツー、ごちゃごちゃになってしまいますよね。でも、ぼくたちは、そうならない。
小曽根 6日間公演があったんだけれど、最初の2日間は力が入っちゃってね(笑)。「もっと自由にやろう」と火曜夜、終演後に話し合って、水曜日からはドカーンといけました。
ヨウ あら〜 私が見たのは火曜日でしたね。それでも、2人のオリジナル曲、ラテンのリズムにバラードと、2人の作曲家、ピアニストとしての多彩さが伝わってくるステージでした。
塩谷 エンジニアのジョー・ファーラさんが1週間つき合ってくださり、彼の音作りに触れることができたのも、いい経験でした。
ヨウ デュオでもゲイリー・バートン、チック・コリアとそうそうたる音楽家と共演してきた小曽根さんですけれど、塩谷さんとのデュオはどうでしたか。
小曽根 デュオって、対等にやれる人としか成立しないんですよね。だから、ソルトとやったわけで。ソルトとやることで、ぼく自身も変われるんです。
 今回はライブ・レコーディングできましたが、録音のためだけには弾けないじゃないですか。まず2人、そしてお客さんとの共鳴がなければ、いい音楽はありえません。ライブ盤はお客さんの歓心を買おうと、えてして弾きすぎるものですが、この『デュエット』はライブ盤としてはクオリティが高いと思います。即興は確かにジャズの醍醐味ではありますが、メロディをきちっと弾く、歌うということの大切さ、曲に対する謙虚さはもちたいですね。 〈ミスティ〉でも、「ルック・アット・ミー」という歌詞への理解が不可欠なわけです。ジャズは、どれだけアレンジできるかという品評会ではありませんから。
ヨウ そう、そう、2枚のアルバムのラストに、同じ〈ミスティ〉が収められているのも、今回の企画ならではのことでした。大阪ブルーノートでも感じたことですが、いらない音はすべて削ぎ落とした出来で、素晴らしかった。2人とも、自らに厳しく、おとななんだな〜というイメージが伝わってくる演奏です。
 それに、互いのオリジナルを交換して弾いていたり、音楽兄弟ならではのアルバムでした。全国ツアーも、楽しみです!きっと、ライヴ録音したときより、音楽的に発展すると思いますね。2人は、お互いに、音楽的な注文がありますか?
小曽根 そうだなぁ、できたらソルトのソロ・ピアノ・アルバムを、プロデュースしてみたいですね。音から出てくるエモーションが、見えてくるので。どうせー、こーせー、とは言わないで、そのエモーションをつかむ一助になるプロデュースをしてみたい。ま、ソルトのソロ・ピアノが聴きたいっていうことですけれど(笑)。
塩谷 ぼくはですね、小曽根さんに、これ以上上手くならないでほしい(笑)1リスナーとしても、弦カルテットとの共演、ビッグバンドと、色々な世界に連れて行ってもらえるから、いつも楽しみです。ぼくともデュオに限定しないで、一緒に音楽を作れたらいいなと、無限の可能性を感じています。
ヨウ では、またデュエット・ツアーの会場でお目にかかります。お2人なら、笑い声にあふれた楽しいツアーになりますね。
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