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年末年始に聞きたいディスク Vol.2(マドンナ、エンヤ、アラニス・モリセットの美女特集) [2005.12.21]
 押しせまってきました。
 クリスマスがすぎると、「もういくつ寝るとお正月」です。まだ書いていない年賀状のことはひとまず忘れて、今日はお正月休みに聴きたいディスク第2弾を、「美女」の新作に限定して、ご紹介します。

 まずエンヤです。彼女の音楽は、ずっと好きなのですが、この5年ぶりの新作『アマランタイン』を聴くたびに、心が洗われるのを感じます。
 壮大なファンタジーを想わせるサウンドは、彼女が2年間ホームスタジオで録音し続けてきた賜物。彼女はこの壮大にして透明感あるサウンドを、いつも、プロデューサー夫妻とたった3人でレコーディングするのです。エンヤが語っています。
 「メロディを書き上げてから、どの言語で歌うか決めるのだけれど、今回はふわしい言語が見つからない曲が3曲あって、ロクシャンと名づけた言語まで作ってしまいました」。
 日本語で歌った〈菫草〉も淡い美しさ。芭蕉の俳句に触発された歌詞だというのですから、とことん勉強家です。歌声が幾重にも多重録音されることで、かえって透明度が増すのが、エンヤならではのマジックでしょう。
 心身が清められる、「除夜の鐘効果」がありますから、このシーズンは特に手放せません。
 マドンナの新作『コンフェッション・オン・ア・ダンスフロア』も、よく出来ていました。全曲ダンス・ナンバー、しかもノンストップという初の試みが、大吉と出ました。
 マドンナがダンスフロアで、愛を告白しつつ踊っているという一貫したイメージをアルバム全体から感じるのも、曲が途切れないからでしょう。女王様、ちゃんと曲作りにも参加していて、ほぼ全曲スチュワート・プライスとの共作&共同プロデュース。世界各国の言語であやまる〈ソーリー〉に、ユダヤ教文化をあえて取り入れた〈アイザック〉がイイ。
 12月初旬に12年ぶりに(プロモーション)来日したのですが、記者会見では聡明さをみせ、スペシャル・クラブ・イべントではSEXYそのもののステージを(汚いことばで観客を興奮させつつ、踊りでは床をはい、足蹴りでドラムのハイハットを蹴り上げ、パンツのなかに手を入れつつダンスと、どこまでもsexyに)繰り広げと、自分自身を完璧に客観視できる、実に賢い人なんです。
 47歳で裸になれるほどの(最近はなっていませんが)肉体と若さこみで、感動しています。それもこれも、玄米正食の食事、ヨガ、ワークアウト、徹底した健康管理による超ストイックな日々がもたらすもの。〈ライク・ア・ヴァージン〉でデビューしたときから、彼女はすでに菜食主義者でしたが。あの頃の、まぐろ系肉体とギラギラ・セクシーに比べ、今のマドンナがまとっている金色のオーラはすごい。
 ご本人の弁によると、「夫(監督のガイ・リッチー)に買ってもらった馬に乗っていたところ、落馬し、6本骨折した」のだそう。あの18億円で購入したという、イギリスの邸宅でそんなことがあったんですね。「だから、〈ハング・アップ〉のミュージック・ビデオも大人しめだったでしょう」とマドンナは微笑んだのですが、あれがおとなしかったら、太陽が西から昇ります。プロモ来日中も、まだ完治というわけではないので、大変だったにちがいないのですが、そこはプロ中のプロ。観客やジャーナリストにそれと気づかれるようなことは、なかったのでした。

 記者会見での、示唆に富んだ応答を、少しご紹介しますね。
 まず、ジャーナリストである20歳代の女性が、「私も成功できるでしょうか」と聞くと(マドンナは常に質問をはっきりさせるために、自ら言い直し確認していましたが)、
 「あなたは、今やっていることが大好きかしら?努力を惜しまず、これからも仕事をしますか?第三に、犠牲を払う覚悟がある?」
 と、優しく聞き、質問者がYESというと、
 「それなら必ず成功するわ」
 と微笑んだのでした。会場からは、大拍手。かなり美しい風景でした。
 「ぼくはゲイなんですが、日本のゲイにメッセージがあったら」
 という質問には(そう、まるで人生相談こみの、記者会見でした)
 「日本とほかの国とで、メッセージに違いはないけれど。自分を表現してね、baby」
 と、これまた優しく言い、その彼はスペシャル・クラブ・イべントの客席で、スパンコールの上下で踊りまくり、自分を表現していました(かわいいかった)。
 このように、女性、ゲイ、男性を問わずリスペクトされているスターに自らを作り上げた彼女。すばらしい精神力と、意志の力を感じます。娘さんが「こまったことに、女優志望で、すでにディーヴァよ」と、母親らしい一面もみせ、敬服に値する女性でした。
 2年ぶりの新作『コンフェッション・オン・ア・ダンスフロア』も、近作ではまちがいなくNo.1。来日公演も約束して帰りましたから、あとはツアーに期待しています。
 エンヤとマドンナは、真逆をいく女王様です。片やアイルランド出身という地の利をいかし、ショービズと距離を保ちながら、孤高の創造性を貫いてきました。
 片やショービズの表と裏を知り抜いた上で自己プロデュースを続ける、アメリカン・ドリームの化身です。どちらもすごいのですが、2人とも実はピュアな人という印象があります。マドンナはプロモ来日に、40人のお供を連れて来ました。そうでなくっちゃね。
 さて、20歳のときにマドンナが主宰するマヴェリック・レコーズと契約し、世界デビューを果たしたアラニス・モリセットが、10周年を記念してベスト・アルバム『ザ ・コレクション』を編みました。
 アラニスが映画に提供した曲に彼女の多彩な才能を感じましたが、映画「ドグマ」、「シティ・オブ・エンジェル」の楽曲がディープで好き。「片っぽの手はポケットに入れていても、もう片方の手でピースサイン」と歌う、95年の〈ハンド・イン・マイ・ポケット〉が青春してて元気が出ます。ロック界女性No.1だか ら、このベストは聴いておかないと、カルクヤバイ?
 お正月、おもちを食べ過ぎて太らないようにしようと、マドンナに会って思っています。このサイトに寄ってくださっているあなたと、ご家族の、健康でますます幸せな2006年を、心からお祈りしています。
 And all the best in 2006 !
 どうか、佳いお年をお迎えくださ〜い。
エンヤ
『アマランタイン』

ワーナー・ミュージック・ジャパン
WPCR-12221
2005/11/23発売
マドンナ
『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』

ワーナー・ミュージック・ジャパン
WPCR-12200
2005/11/16発売
アラニス・モリセット
『ザ・コレクション』

ワーナー・ミュージック・ジャパン
WPCR-12222
2005/11/23発売
※権利者の許可を得ずに、複製することを禁じます。
▲マドンナ12年ぶりのプロモーション来日のスペシャル・クラブ・イべントにて。
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