押しせまってきました。
クリスマスがすぎると、「もういくつ寝るとお正月」です。まだ書いていない年賀状のことはひとまず忘れて、今日はお正月休みに聴きたいディスク第2弾を、「美女」の新作に限定して、ご紹介します。
まず
エンヤです。彼女の音楽は、ずっと好きなのですが、この5年ぶりの新作『アマランタイン』を聴くたびに、心が洗われるのを感じます。
壮大なファンタジーを想わせるサウンドは、彼女が2年間ホームスタジオで録音し続けてきた賜物。彼女はこの壮大にして透明感あるサウンドを、いつも、プロデューサー夫妻とたった3人でレコーディングするのです。エンヤが語っています。
「メロディを書き上げてから、どの言語で歌うか決めるのだけれど、今回はふわしい言語が見つからない曲が3曲あって、ロクシャンと名づけた言語まで作ってしまいました」。
日本語で歌った〈菫草〉も淡い美しさ。芭蕉の俳句に触発された歌詞だというのですから、とことん勉強家です。歌声が幾重にも多重録音されることで、かえって透明度が増すのが、エンヤならではのマジックでしょう。
心身が清められる、「除夜の鐘効果」がありますから、このシーズンは特に手放せません。
マドンナの新作『コンフェッション・オン・ア・ダンスフロア』も、よく出来ていました。全曲ダンス・ナンバー、しかもノンストップという初の試みが、大吉と出ました。
マドンナがダンスフロアで、愛を告白しつつ踊っているという一貫したイメージをアルバム全体から感じるのも、曲が途切れないからでしょう。女王様、ちゃんと曲作りにも参加していて、ほぼ全曲スチュワート・プライスとの共作&共同プロデュース。世界各国の言語であやまる〈ソーリー〉に、ユダヤ教文化をあえて取り入れた〈アイザック〉がイイ。
12月初旬に12年ぶりに(プロモーション)来日したのですが、記者会見では聡明さをみせ、スペシャル・クラブ・イべントではSEXYそのもののステージを(汚いことばで観客を興奮させつつ、踊りでは床をはい、足蹴りでドラムのハイハットを蹴り上げ、パンツのなかに手を入れつつダンスと、どこまでもsexyに)繰り広げと、自分自身を完璧に客観視できる、実に賢い人なんです。
47歳で裸になれるほどの(最近はなっていませんが)肉体と若さこみで、感動しています。それもこれも、玄米正食の食事、ヨガ、ワークアウト、徹底した健康管理による超ストイックな日々がもたらすもの。〈ライク・ア・ヴァージン〉でデビューしたときから、彼女はすでに菜食主義者でしたが。あの頃の、まぐろ系肉体とギラギラ・セクシーに比べ、今のマドンナがまとっている金色のオーラはすごい。
ご本人の弁によると、「夫(監督のガイ・リッチー)に買ってもらった馬に乗っていたところ、落馬し、6本骨折した」のだそう。あの18億円で購入したという、イギリスの邸宅でそんなことがあったんですね。「だから、〈ハング・アップ〉のミュージック・ビデオも大人しめだったでしょう」とマドンナは微笑んだのですが、あれがおとなしかったら、太陽が西から昇ります。プロモ来日中も、まだ完治というわけではないので、大変だったにちがいないのですが、そこはプロ中のプロ。観客やジャーナリストにそれと気づかれるようなことは、なかったのでした。
記者会見での、示唆に富んだ応答を、少しご紹介しますね。
まず、ジャーナリストである20歳代の女性が、「私も成功できるでしょうか」と聞くと(マドンナは常に質問をはっきりさせるために、自ら言い直し確認していましたが)、
「あなたは、今やっていることが大好きかしら?努力を惜しまず、これからも仕事をしますか?第三に、犠牲を払う覚悟がある?」
と、優しく聞き、質問者がYESというと、
「それなら必ず成功するわ」
と微笑んだのでした。会場からは、大拍手。かなり美しい風景でした。
「ぼくはゲイなんですが、日本のゲイにメッセージがあったら」
という質問には(そう、まるで人生相談こみの、記者会見でした)
「日本とほかの国とで、メッセージに違いはないけれど。自分を表現してね、baby」
と、これまた優しく言い、その彼はスペシャル・クラブ・イべントの客席で、スパンコールの上下で踊りまくり、自分を表現していました(かわいいかった)。
このように、女性、ゲイ、男性を問わずリスペクトされているスターに自らを作り上げた彼女。すばらしい精神力と、意志の力を感じます。娘さんが「こまったことに、女優志望で、すでにディーヴァよ」と、母親らしい一面もみせ、敬服に値する女性でした。
2年ぶりの新作『コンフェッション・オン・ア・ダンスフロア』も、近作ではまちがいなくNo.1。来日公演も約束して帰りましたから、あとはツアーに期待しています。
さて、20歳のときにマドンナが主宰するマヴェリック・レコーズと契約し、世界デビューを果たした
アラニス・モリセットが、10周年を記念してベスト・アルバム『ザ ・コレクション』を編みました。
アラニスが映画に提供した曲に彼女の多彩な才能を感じましたが、映画「ドグマ」、「シティ・オブ・エンジェル」の楽曲がディープで好き。「片っぽの手はポケットに入れていても、もう片方の手でピースサイン」と歌う、95年の〈ハンド・イン・マイ・ポケット〉が青春してて元気が出ます。ロック界女性No.1だか ら、このベストは聴いておかないと、カルクヤバイ?
お正月、おもちを食べ過ぎて太らないようにしようと、マドンナに会って思っています。このサイトに寄ってくださっているあなたと、ご家族の、健康でますます幸せな2006年を、心からお祈りしています。
And all the best in 2006 !
どうか、佳いお年をお迎えくださ〜い。