中川ヨウのミュージック・ダイアリー

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「梅雨でも陽気に」 Vol.4 スティーヴ・カーン、揺らぎのラテン

[2007.07.13]
 これを書いているのは、7月7日の夜。東京は曇天で、七夕様に星が見えないのは残念ですが、九州地方の被害を想えば、そんなことはいっていられません。心からお見舞い申しあげます。

 さて、「梅雨でも陽気に」の第4弾。今日はギタリスト、スティーヴ・カーンの『ボロウド・タイム』です。
 まず第一音からスティーヴ・カーンだとわかる音色に、魅せられました。緊張と緩和のアンビバレンツなオープニングの音色に、ハートをひとつかみにされました。
 カーンのギターは、いつも独自のサウンドで奏でられます。今作でエレクトリック〜スティール弦アコースティック〜ナイロン弦アコースティックと多彩に弾き分けても、常に「彼の声」が聴こえてきます。
 前作のコンセプトを更に発展させたこの新作は、ジャズ+ラテン・フレイヴァーと言ってしまえばそれまでですが、ラテン・ジャズという領域にも収まらない、独自のサムシングがあるのです。それは他ならぬカーンの、21世紀的なミックス感覚と独自性ゆえ。ですから、どうやってもフツーにはならない。

 ファンには馴染み深い画家、ジャン・ミシェル・フォロンが10年ぶりにジャケットにカムバック。これはうれしいですね。ジャケ買いも、アリな作品になっています。
 セロニアス・モンク作曲の冒頭の曲〈アイ・ミーン・ユー〉に、まず驚嘆します。カーンもいいんですが、ドラムのジャック・ディジョネットが泣きたくなるくらい素晴らしい。マノーロ・バドレーナはじめパーカッション陣も、素晴らしいんですが、束になってもディジョネットのドラムの音色にはかないません。

 ブレッカー・ブラザース以来の共演となった、ランディ・ブレッカーのトランペットも何ていいのでしょう。その〈フェイス・バリュー〉でのカーンが、またロマンティック。
 ディジョネットのブラシ・ワークが鳥肌ものの、パパ・サミー・カーン作詞の〈ユー・アー・マイ・ガール〉も美しい。マッコイ・タイナー曲がチャチャチャになった〈ヒム・ソング〉まで、お楽しみは終わりません。
 と、このように、ラテン・ジャズにはならないだろうという曲を、ラテンのリズムで料理するところが、彼独自の技。

 ジャズをラテンと融合させるだけではなく、そこにユニークなテイストをもりこめるスティーヴ・カーン。そのギターのゆらぎに、雨でも陽気にすごす「異なる視点」をもらっている私です。

スティーヴ・カーン
「ボロウド・タイム」

55RECORDS
FNCJ-5520
2007年4月25日発売

権利者の許可を得ずに、複製することを禁じます。

【慶應義塾大学 湘南キャンパス(sfc)】

21世紀の音楽と音楽メディアが、どこにいこうとしているのか。 その研究を慶應義塾大学sfc(湘南キャンパス)ではじめました。 私は大学院 政策・メディア研究科の特別研究准教授を拝命し、片道2時間をいそいそと通っているというわけです。 音楽は常に通信、メディア、交通の発展とともに変化してきました。 新たなメディアの普及にともない、音楽が今後様変わりすることは自明の理。 ニュー・ メディアを研究するのに、sfcほど格好な場はありません。 またご報告できる時もあるでしょうから、どうぞお楽しみになさっていてください。

小川研究会後に、小川克彦教授(ヨウの右隣の方)と、学生の皆さんと

慶應義塾大学 湘南キャンパス(sfc ) メイン・ビルディング

尊敬している、小檜山賢二教授が「主」のデザインb 棟。

小檜山先生の巨大昆虫写真が見守る室内
小檜山賢二教授のサイトが、強力。 昆虫好きには、たまりません。私は小檜山先生を通して、昆虫の面白さを知りました。 フォト・コラージュによる昆虫のデジタル・フォト・ギャラリーと、蝶の写真は、必見です。

デザインb棟室内。ログハウスのようで、
天井も高く、よい気が充ちています。

マイ・デスク

小川研の中間発表風景。発表もプロジェクターで。誰もノートをもっていません(笑)。

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