中川ヨウのミュージック・ダイアリー

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夏休みに聴きたい歌声Vol.2 サー・ディンディン『アライヴ』

[2007.08.17]
 とうとう中国から登場した、コピーでないポピュラー音楽。
 サー・ディン・ディンの世界デビュー作『アライヴ』にコピーをつけるとしたら、こんな風でしょうか。
 しごく中国的な高音域の歌声に反して、彼女の音楽は特定の国を指し示すことができないものなのです。

 鮮烈な印象。重量感のあるビートのうえを、サー・ディン・ディンの歌声が蝶のように、高く舞います。サウンドはあくまで一人で作るタイプ。その点、エンヤ的。作詞、作曲、アレンジ、プロデュースを一人でこなし、今回世界デビューに当たって、デモでは自分で弾いていた中国伝統楽器だけ、差しかえたそう。
 24歳になる彼女ですが、3歳から3年間過ごした祖母の住む内モンゴルの影響で、チベット仏教に興味をもち、独学でチベット語とサンスクリット語を学んだそうです。
 だからこのアルバム『アライヴ』も、多彩な言語で歌われ、なかには(私には判別できませんが)彼女が作った言語もあるのです。この点も、エンヤ的。でも、グローカル(グローバルな地平に立ったローカル)な音楽とはいえ、いえ、だからこそ、アイデンティティが出るわけでして、エンヤのような「北の音楽」ではなく、あくまで「中国周辺の、どこか見知らぬ国の音楽」の様相を呈しています。
 実際にあったディン・ディンは、細くて小柄で、引田天功に似た衣装とメイクでした。きれいなのに。過剰装飾だけ20世紀的でした。
 でも「アイデンティティに深く根ざした音楽を創造していきたいたい」と語る、かわいくスピリチュアルな女性でした。太極拳をし、瞑想をする。日々の座禅が、創作の源だそうです。私、別れ際に聞いたんです。
「ディン・ディン、実はほんとうに飛べたりして」
 サー・ディン・ディンが驚いたように、声をひそめていいました。
「ええ…あなたもなの?」

サー・ディンディン
「アライヴ」

ユニバーサル ミュージック
UICZ-3091
2007年6月25日発売

権利者の許可を得ずに、複製することを禁じます。

【「一本主義」Vol.2 オーデ・コロン 】

 実はわたくしは、傘だけでなく香水も「一本主義」なんです。
アロマテラピーにこりだしてから、それまで使っていたコロンの香りがどうも合わなくなり、いいものはないか探していたんです。その過程で、天然香料しか受けつけなくなったのだと知りました。
 うれしい、かも。でも、こまったことになった…。
大塚れなさんという、友人のフラワー・エッセンスのプラクティショナーの勧めで、「サンタ・マリア・ノヴェッラ」@青山店に行ってみたのです。

 「サンタ・マリア・ノヴェッラ」は、実は世界最古の薬局なのだそうです。1221年にフィレンツェのドミニコ修道院の一部門としてできた薬局が、その起源なのですね。800年の歴史があって、天然の草花だけを使う製法を500年間守っている、同社のシトラス系「王妃の水」に、一目というか、一嗅ぎで、惹かれました。

 「王妃の水」こと「アクア・デッラ・リジーナ」は、16世紀の半ば、フランス王、アンリU世に嫁いだ、カテリーナ・ディ・メディチがパリにもちこみ、ブルボン王朝のご婦人方のあいだでブームになった香りです。

 イタリア・ルネッサンスの中心地で生まれたこの香りこそが、オーデコロンの始まりなのです。それでは、なぜコロン=「ケルンの水」というのか、ですが、それは18世紀半ばに「サンタ・マリア・ノヴェッラ教会」で処方を教えてもらったある男が、ケルンで「香る水」を作り、先に有名になったからなのですって。

 「サンタ・マリア・ノヴェッラ」青山店は、ご覧のように香水店というより、アンティークな図書館か、資料室といった静寂な趣き。今回は、この夏の暑さしのぎに、ミントの石鹸も一緒に求めてきました。  「王妃の水」をかぐことで、いつでもリフレッシュできる、わたくしです。

サンタ・マリア・ノヴェッラ青山店の店内。 世界最古の薬局です、っていう雰囲気がみちみちています。 店中央には、いつも大輪の花がテーブルに。そこの椅子に座り、迷うのが、しあわせ。

求めた「王妃の水」と、ミントの石鹸、2ケ入り箱。

青山店の入り口。ちょっとやそっとじゃ見つからない、たたずまいです。

行く前に決めていくのに、お店に行くと、いろいろ嗅ぎたくなる。 この画像は、オレンジのシングルの香りと、迷っているところなのです。

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